フード・マイレージとは
私たちの食卓に並ぶすべての食材は、船や飛行機、トラックなどで運ばれており、食材が産地から食される地まで運ばれるまでの、輸送に要する燃料・二酸化酸素の排出量をその距離と重量で数値化した指標をフード・マイレージと言います。したがって、輸送の距離が長いほど地球環境に負担をかけるという考え方です。
計算式(t・km)=輸入相手国別の食料輸入量(t)×輸出国から日本までの輸送距離(km)
発祥は、イギリスのNGOによるフードマイルズ運動(なるべく身近でとれた食料を消費することによって食料輸送に伴う環境負荷を低減させていこうという市民運動)の考え方を参考に、農林水産省農林水産政策研究所において開発されました。また、類義語として『ウッドマイルズ』があり、フード・マイレージの概念を木材にあてて考えられた指標があります。
輸入品目別にみる比較
以前のデータになりますが、日本の全輸入食料のフード・マイレージは9,002億t/km(トン・キロメートル)と計算されています。アメリカや韓国、ほかの先進国と比べてみると、日本はその3~8倍です。そして輸入相手国を見れば、アメリカが約60%を占め、輸入国が偏っていることもわかってきました。なるべく近くで取れたものを食べることは、環境保全にも貢献しているのです。
食のあり方
フード・マイレージは、輸送に限定しての指標で生産面や消費・廃棄面での環境負荷は考慮しておらす、総合的なエネルギー消費の指標とは異なることから、参考にならないとの見方もあります。
ただ、日本が世界各地からの輸入食材に多く依存していることは事実であり、昨今の食のあり方を見直す材料にもなっています。現にスローフードや、ロハスといった、お洒落感満載のワードがあらゆる雑誌の表紙に踊っていた時代もありました。私も、「何だかお洒落な言葉(意味わかんないけど・・・)」と思っていました。『地産地消』というと、とても健康的で素敵なことをしている間隔に陥りそうですが、農林水産省のHPでは促進される(したい)反面、困難な問題もあるようです。
- コストアップの要因になりうる(地産地消は必ずしも大量流通に適したシステムになっていない)
- 「地産地消ならどんな地場産品でも売れる」といった安易な考え方に陥る危険
- 農産物流通の大宗を担うことにはならない (地場の農産物のみによってすべての品揃えを賄おうとするのは困難)
引用元:農林水産省、地産地消推進検討会
地産地消は健康のため
地産地消については、様々な考えがあるなか農林水産省がまとめた資料では、「食事バランスガイドを参考に日本型食生活の実践を」とあります。食生活が激変した現代では、健康な体づくりのための地産地消のようにも思えます。もちろん、それだけではないのですが、こちらのHPではこのように締めくくられています。
想像力:自分の食べ物がどこで、だれによって作られ、どのように運ばれてきたのか。
今日から、食材を意識してみるのも面白いかもしれません。
こちらのサイトでは、日本の伝統野菜を取りあげています。