再エネ賦課金単価はどこまで上がる!?2030年度には○○円と予想!

私たちが電気料金の一部として負担している再エネ賦課金、その単価のピークはズバリ「2030年度に4.00円」と予想します!再エネ賦課金の仕組みも踏まえ、以下でその理由を解説します。

再エネ賦課金とは?

正式名称を「再生可能エネルギー推進賦課金」といいます。再生可能エネルギーとは「自然界に由来し、利用する以上の速度で補充をされて枯渇することの無いエネルギー」と定義され、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスから作られるエネルギー等を指します。

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再生可能エネルギーの導入を推進するため、日本では「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」が2012年に始まりました。

「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」は、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度です。電力会社が買い取る費用の一部を電気をご利用の皆様から賦課金という形で集め、今はまだコストの高い再生可能エネルギーの導入を支えていきます。この制度により、発電設備の高い建設コストも回収の見通しが立ちやすくなり、より普及が進みます。
(引用:なっとく!再生可能エネルギー 固定価格買取制度|経済産業省 資源エネルギー庁

この制度で高い買い取り価格が保証され、日本国内での再生可能エネルギーが増加しました。最近では住宅や店舗の屋根に太陽光パネルを見ることも珍しくありません。この電力会社が買い取る費用は「再生可能エネルギー発電促進賦課金」として電気の利用者が負担しているのです。

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単価はどうやって決まる?

再エネ賦課金の単価は、毎年次の計算式で算出され、経済産業大臣が定め告示しています。この単価は電気を使用する地域や電力会社に関係なく、一律に適用されます。

再エネ賦課金単価
=(①買取見込み額 - ②回避可能費用見込み + ③費用負担調整機関事務費見込み)÷(④見込み総需要電力量)

①買取見込み額再生可能エネルギー買取量見込み(kWh)×買取価格(円/kWh)

・再生可能エネルギー買取量見込み:前年度の導入量をベースとする

・買取価格:調達価格等算定委員会の意見を尊重して経済産業大臣が決定した価格

②回避可能費用見込み再生可能エネルギー買取量見込み(kWh)×回避可能費用単価(円/kWh)

・回避可能費用単価:現行の運用では、電気事業者が再生可能エネルギー電気を買取ることにより支出を免れた燃料費などの変動費(1kWh当たり)を採用。各電気事業者の2月の燃料費調整単価を考慮した変動費の加重平均を利用。

・現行の運用では、電気事業者が料金改定を行う際に、燃料費を補正した変動費が改定された場合、翌年度の納付金単価(賦課金単価)算定に、改定された単価を利用。

③費用負担調整機関の事務費見込み費用負担調整機関の業務処理等に要する費用。費用負担調整機関が見積もった費用を経済産業大臣が認可。
④見込み総需要電力前年の需要電力量の実績を利用する。

(引用:買取制度運用ワーキンググループ検討結果|経済産業省 資源エネルギー庁

国として推進しなければならない再生可能エネルギー。そのための費用を全国民が負担しているのですから、この単価は公正に決定する必要があります。

推移とピーク予測

再エネ賦課金単価はこれまで次のように推移してきました。

制度開始から上昇し続けていることがわかります。単価はこのまま上昇し続けるのでしょうか。

環境省が公表した報告書によると、単価は2030年度にピークを迎えています。これは再生可能エネルギーの固定価格での買い取りが最長20年となっているためです。上記報告書では2030年度のピークにおいて最大2.61円/kWhと予測されていますが、実際は2017年度には2.64円とこの予測を上回っています。

(引用:平成25年度2050年再生可能エネルギー等分散型 エネルギー普及可能性検証検討報告書|環境省

そこで過去の買取費用、賦課金、買取費用内の賦課金の比率からピークを予想してみます。

これまでの推移

この数字から、賦課金対象の電力量は、2012年度で賦課金1300億円÷賦課金単価0.22円/kWh=590,909,090,909kWh=590,909gWhとなります。
同様に各年度の賦課金対象の電力量を算出してみると、下表のようになります。

2030年度の賦課金対象の電力量は2016年度と同等の800,000gWhと想定、かつ買取費用のうち賦課金の比率も上昇は80%までと想定すると、経産省が想定している買取費用の最大値4兆円×80%=賦課金3兆2000億円となります。
賦課金(想定)3兆2000億円÷賦課金対象の電力量(想定)800,000gWh=賦課金単価4.00円/kWhとなります。

ということで、当社は2030年度の賦課金単価は4.00円/kWhになると予想しました!
4.00円になった場合、電力需要家が実際に負担する金額は2012年度・2020年度と比較すると次のようになります。

【例】
電力使用量30,000kWh/月の事業所の場合
2012年度:6,600円/月、79,200円/年
2020年度:89,400円/月、1,072,800円/年
2030年度:120,000円/月、1,440,000円/年

負担の増加が目に見えてわかります。電気料金として負担し続けているこの金額はどうすることもできないのでしょうか。

負担額を減らす方法

その答えは再エネ賦課金の計算式の中にあります。

再エネ賦課金 = 電力使用量(kWh)× 再エネ賦課金単価(円/kWh)

つまり、電力使用量の対策を行うことで再エネ賦課金を抑えることができるということです。その対策には次のようなものがあります。

電力使用量が多いほど再エネ賦課金は高くなることになりますが、一定の基準を満たす方は減免される場合があります。「自分たちは電気を多く使うから仕方ない…」と思われている方、諦めずにまずは下記要件を確認してみましょう。業種や基準によっては最大8割減免されるケースもあります。

  1. 製造業においては電気の使用に係る原単位(売上高千円当たりの電気の使用量)が平均の8倍を超える事業を行う者、非製造業においては電気の使用に係る原単位が平均の14倍を超える事業を行う者※。
    ※製造業、非製造業ともに5.6kWh/千円を超える必要あり
  2. 申請事業所の申請事業における電気使用量が年間100万kWhを超えること。
  3. 申請事業における電気使用量が申請事業所の電気使用量の過半(50%超)を占めていること。
  4. 原単位の改善のための取組を行う者。
    (引用:なっとく!再生可能エネルギー 固定価格買取制度 減免認定手続き|経済産業省 資源エネルギー庁)

電気料金を請求されるがままに払う場合と、請求内容の意味や仕組みを理解して対策をした場合とでは、支払金額に確実に差が生まれます。世界情勢や法律等の関係でどうにもできないことであればまだしも、対策できることを実行しないのは勿体ないですよね。まずは電気明細を見せていただければ、どのような対策ができるか具体的にアドバイスいたします。是非ご相談ください!