企業として生き残り成長するためには、国の政策を理解することが欠かせません。本記事では経済産業省が発表した令和5年度(2023年度)概算要求のポイントと、今から準備しておくべきことをご説明します。
経済産業省概算要求の概要
予算執行までのスケジュールは大まかに以下の通りです。
8月31日、経済産業省は令和5年度の概算要求額を1兆3914億円と発表しました。これは前年度当初予算に比べ13.7%増となっています。概要は以下の通りです。
出典:令和5年度 経済産業省 概算要求の重点|経済産業省
コロナ禍・ウクライナ情勢による資源・物資の供給制約及び物価上昇など 現下の経済状況に対する適確な対応
コロナ禍・ウクライナ情勢による世界的な混乱が続いており、エネルギー市場への打撃については過去のブログでも取り上げている通りです。物価高も続いており、この問題への対策は避けては通れません。
最終保障供給の見直し案…市場連動でさらに電気代は上がる?需要家側の今後の対策とは エネルギー安全保障・資源の安定供給の確保に向けた対策を講じるとともに、中小企業への支援は事項要求(予算要求額を明示せず、項目のみ記載すること)にも挙げられています。
持続的な成長を可能とする経済社会の実現
エネルギー、デジタル化、健康社会、災害、経済成長、人災、グローバル化、国際経済…と、多岐に渡って重点項目が挙げられています。
最重要課題:廃炉・汚染水・処理水対策/福島の復興を着実に進める
2011年3月11日に発生した東日本大震災から11年経った今もなお残る、東京電力福島第一原発の廃炉等の問題が最重要課題として挙げられています。福島県を従来の姿に戻すというだけではなく、新しいエネルギー社会のモデルを世界へ発信するべく決定された「福島新エネ社会構想」や、映画・芸術等を活用した創造的街づくりの推進に取り組むとされています。
ここからは、中小企業の皆様が活用できる可能性がある補助金に関連する情報を一部抜粋してご説明します。
エネルギー関連
2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。GXリーグ(脱炭素に積極的に取り組む企業がルール作りの議論や自主的な排出量取引等を行う場)の段階的発展・活用を進めるために新規予算20億円が挙げられていることからも、国がエネルギー関連に力を入れていることがわかります。
エネルギーに関連した項目は以下のようなものがあります。※以下、【令和5年度概算要求額(令和4年度当初予算額)】
◆需要家主導による太陽光発電導入促進補助金【165.0億円(125.0億円)】
◆系統用蓄電池等の導入及び配電網合理化等を通じた再エネ導入等加速化事業【100.0億円(新規)】
◆省エネルギー・需要構造転換支援事業費補助金【360.0億円(253.2億円)】
◆住宅・建築物需給一体型等省エネルギー投資促進事業【72.0億円(80.9億円)】
◆クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金【430.3億円(245.0億円)】
◆カーボンニュートラルに向けた自動車部品サプライヤー事業転換支援事業【7.9億円(4.1億円)】
中小企業・小規模事業者関連
中小企業の設備投資や生産性向上も国の成長に欠かせません。事業再構築補助金、ものづくり補助金は弊社にお問い合わせをいただくことも多いです。
◆日本政策金融公庫補給金【151.1億円(145.5億円)】
◆ 中小企業信用補完制度関連補助・出資事業【67.7億円(49.8億円)】
◆事業再構築補助金
◆生産性向上補助金
今準備しておくべきこと
さて、ここまでのポイントを理解したうえで私たちはどのように行動するべきでしょうか。冒頭でスケジュールをご説明した通り予算成立・執行はまだ先のことですが、それまでの期間に何もしない場合と下準備を行っておく場合とでは、少なからず企業としての成長スピードに差が出ることでしょう。
◇現状の把握
我々が省エネを推進する際にも同じことを訴えています。現状を正しく把握しなければ、目指すべき姿や進むべき方向、対策を正しく設定することはできません。SWOT分析などで会社の現状を客観的に捉えましょう。また、これまでにご紹介した補助金が執行され活用するとなると、その対象や要件に該当するのか精査しなければなりません。会社の人、物、情報、エネルギーの状況を正しく把握し、すぐに活用できる状態にありますか?もし少しでも不十分と感じることがあれば、弊社のクラウドシステム「INFORAP」がその助けとなるのは間違いありません。
◇情報収集
補助事業執行の可能性があると挙げた項目の中でも、前例があるものは先に過去の情報を確認しておきましょう。情報は仕入れすぎて困ることはありません。
◇経営計画の策定、見直し
会社ごとに様々な経営計画や戦略があると思います。移り変わる情勢や国の政策に関する情報と現状を照らし合わせ、柔軟に計画を立て、見直しましょう。
◇電子申請の準備
予算の執行にあたって、補助金に関しては「GビズID」や「Jグランツ」といった電子申請を基本とします。これは法人ごとにアカウントを取得している必要があります。取得されていない方が取得しておくのはもちろん、既に取得している方も担当者や登録情報に変更がないかなど、すぐに利用できるよう見直しておくと安心です。
GビズID:https://gbiz-id.go.jp/top/
Jグランツ:https://www.jgrants-portal.go.jp/
スターメンテナンスサポートは企業理念である「お客様=私たち=社会が共に喜べる価値を創造します」の実現にあたって、これまでも情勢や国の政策をもとに柔軟にサービスを変化、創出してきました。そして我々には長年多くのお客様に対して電気の保安点検や省エネ省コストのコンサルティング、補助金申請支援を行ってきた実績とノウハウがあります。
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