補助金の代表的用語13語を解説します!

各省庁から来年度予算の概算要求が発表されています。
この季節にはお客様から「この補助金は来年も予算がつくかな?」「これを申請した時の採択率はどのくらい?」といった質問をいただきますが、このような質問がぱっと出る方は補助金の申請に慣れている方です。
補助事業では普段耳慣れない言葉がよく使用されますが、公募の際にはこれらの言葉に理解があることを前提に説明が進められます。
そこで今回は節々で重要になる言葉について、簡単に解説します!

 

予算

一会計年度における歳入・歳出の計画のことをいいます。大きく通常の本予算、それを変更する補正予算の2種類に分かれます。
各補助金に配分された予算の中から、申請事業者に交付される補助金と、補助事業の執行を委託する執行団体への委託費用が賄われます。

 

交付規定

補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年法律第179号)、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律施行令(昭和30年政令第255号)、各省庁が制定する補助金交付要綱に従って補助事業を適正に執行するために定められた規定です。
箇条書きで書かれていることが多く、これをもとに体系的にまとめられた公募要領や交付申請の手引きが作られます。交付規定と公募要領が一緒になっている補助金もあります。

 

公募要領

補助金を“公”に“募”集するにあたっての指針や基準が記載されたものです。
補助金の目的や、対象となる個人・企業の範囲、審査の対象となる・ならないの別、補助対象となる事業や設備についての解説が行われています。
申請書の書き方や参考様式が付録として掲載されていることもあります。

 

交付申請

補助金の交付を受けるため、事業計画書にどういった事業を行いどういった成果を得るかを記載します。
また、現在の行っている事業内容と資金状況などを見るために、登記簿謄本・役員名簿・会社パンフレット・決算書などを添付することが多々あります。
毎年度の政策によって加点項目が設けられている場合、加点を獲得するためには根拠となる証憑書類を添付する必要があります。

例:
「賃上げをしていること」が加点項目の場合…賃金台帳、源泉徴収票など
「経営力向上計画の認定を受けていること」が加点項目の場合…認定書と申請書類

 

審査

事業が補助金の交付を受けるにあたってふさわしい事業であるかどうか、補助金の目的に沿い成果の絶対量・費用対効果・政策との関連性・類似事業との比較などの審査が行われます。単純に効果の高い順に採択を受ける場合もあれば、外部の審査委員会が審査を行う採択案件を決定する場合もあります。

 

採択

執行団体が補助金の交付を受ける事業者を選ぶことを言います。採択、不採択者にはメールや郵送等で結果が通知されます。

 

交付決定

採択を受けた事業者は交付申請書に基づき、必要経費の一部の補助金交付が決定されます。決定された内容は「交付決定通知書」内に記載されており、補助対象費目や金額を確認することができます。
ここで決定している内容は概算である場合が多く、事業実施後に実際に支出された費目と金額によって補助金額は変動することがあります。

 

事業実施

多くの補助金が、交付決定を受けてからの事業実施を認めています。(※小規模な補助金の場合は、実施後申請を条件にしているものもあります)
事業実施期間中にシステム開発や工事、検収、支払を済ませる必要があります。

 

中間報告

事業実施期間中に、事業が当初のスケジュール通りに滞りなく進行しているか、問題が発生していないか途中経過の報告や書類提出を求められる場合があります。

 

確定検査

実施した補助事業の実績について、どのようなことをしたか、どのような効果が見込まれるか等の補助事業者からの報告に対し、執行団体が内容を確かめることです。
成果物の写真やデータ、契約書の写し等の証憑(エビデンス)をきちんと取り揃えておく必要があります。
交付申請通りに事業が実施されたか、経費が見積・契約・納品・検収・支払いといった適正なフローを通して支出されたかを確認します。書類のみの検査もあれば、現地調査やヒアリングが行われる場合もあります。
確定検査により受け取れる補助金額が確定します。確定した内容は「補助金額確定通知書」に記載されます。

 

概算払い請求

補助金額が未確定である時に、後ほど精算することを前提に補助事業者がおおよその見積額を執行団体へ請求することです。

 

精算払い請求

「補助金額確定通知書」に基づき、補助事業者が補助金を執行団体宛に請求することです。

 

成果報告

事業実施後、決められた年数間の成果を執行団体へ報告します。交付申請時の目標を達成できていない場合、ヒアリングが行われることがあります。目標必達が原則の補助金であれば、既に受け取り済の補助金の返還を求められる場合もありますので注意しましょう。

 

以上、代表的な用語を解説しました。
補助金によって使われない言葉があったり、他の言葉で表現されている(成果報告=効果報告など)ものがあったりと、ややこしいですよね。皆さんのスムーズな申請のための一助になれば幸いです。