トップランナー制度って?

トップランナーとは

「トップランナー」とはリレーの第一走者または一流の走者を指し、それが転じて「その分野の第一線で活躍している人」を言います。
エネルギー業界での「トップランナー方式」「トップランナー基準」は、メーカー等に省エネ型の製品を製造するよう基準値を設け、それをクリアするよう課したものです。
クリアした機器を「トップランナー機器」といいます。

1979 年、「エネルギーの使用の合理化に関する法律(以下、省エネ法)」が制定され、1997年に開催された地球温暖化防止京都会議(COP3)を受け、1998 年に省エネ法は大幅改正されました。この中で、特に民生・運輸部門のエネルギー消費の増加を抑制するため、機械器具の製造段階でエネルギー消費効率を向上させることを掲げて『トップランナー基準』方式が採用されました。

出典:一般財団法人省エネルギーセンター(トップランナー基準とは)

当初は乗用自動車、エアコン、電気冷蔵庫が対象とされました。その後品目が増え、目標基準値も大きく引き上げられました。今も順次対象機器は追加されています。
  

トップランナー対象機器

2015年11月現在 31品目が指定されています。
出典:資源エネルギー庁HP、基本政策分科会(第18回会合)資料2-2(6ページ目)

  1. 乗用自動車
  2. 貨物自動車
  3. エアコンディショナー
  4. テレビジョン受信機
  5. ビデオテープレコーダー
  6. 蛍光灯器具(電球形蛍光ランプ含)
  7. 複写機
  8. 電子計算機
  9. 磁気ディスク装置
  10. 電気冷蔵庫
  11. 電気冷凍庫
  12. ストーブ
  13. ガス調理機器
  14. ガス温水機器
  15. 石油温水機器
  16. 電気便座
  17. 自動販売機
  18. 変圧器
  19. ジャー炊飯器
  20. 電子レンジ
  21. DVDレコーダー
  22. ルーティング機器
  23. スイッチング機器
  24. 複合機
  25. プリンター
  26. ヒートポンプ給湯器
  27. 三相誘導電動機
  28. 電球形 LED ランプ
  29. 断熱材
  30. サッシ
  31. 複層ガラス

罰則等(対象:機器等製造事業者及び輸入事業者)

トップランナー基準を守らない機器を作った場合、罰則はあるのでしょうか。資源エネルギー庁HP、機械器具Q&Aでは以下のように回答されています。

  • Q11 目標基準値を達成できない場合には、どのような措置があるのか。
  • A11 省エネ法に基づき、目標基準値と比較してエネルギー消費効率の向上を相当程度行う必要があると認められる時は、その向上を図るべき旨の勧告が行われることになる。さらに、勧告に従わなかった際には、公表、命令、罰則(罰金)という担保措置が定められている。また、表示義務に関する違反についても、同様の担保措置が定められています。

トップランナー機器をどう使えば良いか

トップランナー対象機器は、工場やビルの電気設備に多く使用されており、 一台一台の省エネ化により大きな省エネ効果(電気料金削減)を発揮すると共に地球環境保護と温暖化防止への貢献になります。
従ってトップランナー制度導入前の20年近く経過した老朽電気設備更新は、設備の信頼性を高めると同時に経費削減の重要な方法になります。
事業者(個人事業者含む)が省エネルギーになる設備更新を行う場合、補助金(エネルギー使用合理化等事業者支援補助金)が国の制度として用意されており、ある一定の条件を満たせば補助を受ける事も可能です。
一般家庭でもエアコン、照明、冷蔵庫等を最新機器へ交換する事で簡単に省エネ効果を得ることが出来ますので古い電気製品は、「まだ使えるかな?」と思っても早めに交換する事をお勧めします。
トップランナー基準を達成した製品には緑色の省エネマークが表示されていますので機器を選ぶ際の参考にしてください。