事業者の皆さんがご利用している電気工作物、高圧の電気を安心して使うための設備に、実は劇毒物が潜んでいる可能性があることをご存知でしょうか?
PCB(ポリ塩化ビフェニル)と呼ばれるそれはダイオキシン類の一種で、かつて大規模な食品公害を出した成分としても知られています。
それが電気工作物に含まれているからどうなんだ?別に食べる訳でもないだろう。と思われるかもしれませんが、ダイオキシン類は劇毒物ということもあり、適切な処理を行なわなければ環境に影響を与えかねないため、通常の手順では処理出来ません。
更に平成28年8月1日、改正されたポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する法律(平成13年法律第65号。以下「PCB特措法」)が施行されたため、これに従わない場合改善命令を下され、改善を行なわなかった場合は「1,000万円以下の罰金」や「3年以下の懲役」といった罰則を科される可能性もあります。
高濃度PCB含有電気工作物とは、
告示で定められた12種類の電気工作物(変圧器、電力用コンデンサー、計器用変成器、リアクトル、放電コイル、電圧調整器、整流器、開閉器、遮断器、中性点抵抗器、避雷器及びOFケーブル。以下同じ。)のいずれかに該当するものであって、使用されている絶縁油に含まれるポリ塩化ビフェニルの重量の割合が0.5%を超えるものをいう。
(換算値:重量比0.5%=5,000mg/kg=5,000ppm)低濃度PCB含有電気工作物とは、
告示で定められた12種類の電気工作物のいずれかに該当するものであって、高濃度PCB含有電気工作物に該当するものを除き、使用されている絶縁油に含まれるポリ塩化ビフェニルの重量の割合が0.00005%を超えるものをいう。
(換算値:重量比0.00005%=0.5mg/kg=0.5ppm)
―経済産業省 PCB含有電気工作物の定義・分類より引用
いつまでにどんな処理を行なえばいいのか?
高濃度PCBの場合は既に1部地域を除いて処理期限を超過しておりますので、この場では低濃度PCBに限って記載しております。
処理期限
2027年3月31日まで
処理の委託先
民間の処理業者
処理の手順
①停電作業のため日程調整
②停電時に採油
③採油後検査機関への提出
④約2週間程で結果報告
⑤PCB混入の設備があれば市区町村への届出を行なう
⑥市区町村の指示に従い処理を行なう
参考写真:変圧器-蓋を開けて内部の絶縁油を採油します
皆さんがご利用中の電気工作物は「電気主任技術者」によって点検をされていると思いますので、まずは担当の技術者に、PCBが含まれている電気工作物があるかどうかを確認してみましょう。PCB含有の可能性が浮かび上がった場合は技術者から、お近くの業者を紹介していただくとよいでしょう。
最後に
取り扱うものが劇毒物、対応を誤れば罰則も重いということもあり、仕事を任せるには信頼の出来る業者に依頼したいという方も多いでしょう。
もし担当の技術者に聴いてもよくわからないということがあれば、是非弊社にお声がけください。社員が実際に現場に赴き、PCBの採取から検査機関への提出、結果の報告まで何度も請け負っておりますので、安心してお任せいただけます。
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