皆さんこんにちは!事務局の原 知弘です。
最近は梅雨ということで、雨が多くて嫌になってしまいますね。
湿気で蒸し暑いし服は張り付くしで、大変なこの季節。電気設備にも結構な影響があります。
それは漏電。機器内部やコンセント、プラグ付近に埃が付着していると、埃が水分を吸って電気の通り道になることで漏電が発生します。(トラッキング現象)
そのため梅雨時は年間で最も漏電が起こりやすく、実際にこの時期になると、毎年施設内で警報が鳴っているとお客様から連絡があります。
また、梅雨とは関係ないところですが、被膜が破れたケーブルを使用することで漏電が発生することもあります。
そして梅雨が過ぎれば夏本番。暑さが増して電気の使用量が増えるため、ブレーカーやトランスの負荷も増える季節です。
お客様からブレーカーが頻繁に落ちるので見て欲しいといった連絡や、技術者の電気設備点検でトランスの負荷が増えて発熱しているという報告がよく上がって来る時期です。
こうしたブレーカーやトランスの過負荷、漏電は起きるとどんな問題があるのか?予防や緩和はどうすればいいかを見ていきましょう。
- 漏れた電気が埃や周囲の可燃物に伝わり火災が起きる
→トラッキング現象での火災は微量な電流でも起きるため、ブレーカーで防ぐことは難しい。 - 使用されずに漏れる電気がある=余計に電気を使用している=電気代が増える
→基本的にはブレーカーが落ちますが、ブレーカーが故障していた場合、余計な電力を使用することになり、火災リスクもあります。
- 停電点検時に高圧受電設備を技術者に清掃してもらう
→基本的には言わなくても清掃してくれますが、汚れが目立つようなら指摘しましょう。
周囲の除草などもしてくれる技術者がいますが、そこは本来事業者側の責任ですので注意しましょう。 - ブロワーや集塵機などを受電設備の傍で使用しない
→高圧の受電設備付近にそういった機器を設置すると埃が付着して漏電、火災の原因になります。 - コンセントやプラグ回りの埃を拭き取り、乾かしてから使用する
- コンセント回りに可燃物を置かない
- 被膜の破れたケーブルは使用せずに交換する
- 除湿器を設置する
- ブレーカーが落ちて、電気が遮断される
→技術者が「トリップした」と伝えて来たらこれのことです。 - 電気設備の焼損や火災が発生する
→正常にブレーカーが動作すれば、その前に落ちます。
- 使用する電気設備の容量を計算し、それにあったブレーカーを設置する
- 電気設備の増設前に、現在のブレーカーで容量が足りるか技術者に相談する
→技術者に相談せずに機器を増設して、工事翌日にブレーカーが落ちるとお客様から連絡が来ることはしばしばあります。 - 同時に複数の電気設備を稼働させないよう順番に使用する
- トランスの発熱で絶縁油が泥状になり、漏電が発生する
→絶縁油が泥状になることを「スラッジが発生する」と言うこともあります。 - 巻線の被膜が劣化して、発煙や焼損が発生する
- 上記漏電による火災や電気代の上昇
- 使用する電気設備の容量を計算し、それにあったトランスを設置する
- 電気設備の増設前に、現在のトランスで容量が足りるか技術者に相談する
- 熱気が籠らないよう換気扇を設置する
古いトランスを使用し続けていると、漏電による火災のリスクや電気代が余計にかかっているかもしれないという他に、PCBというダイオキシン類の劇毒が含まれていた時期のものである場合もあります。
PCB含有の機器は環境汚染の恐れがあるため、勝手に処分することは出来ず、2027年3月31日までに処分しないと、敷地内で処置を施して永遠に保管し続けなければならなくなります。
勿体ない精神で古くなってリスクがある設備を使い続けようとしても、どのみち2027年度中に交換をしなければならない、というなら補助金が出ている今のうちに調査・更新をするのも手ではないでしょうか?
環境省では、PCB含有の可能性がある機器の調査費用を1/10、トランスの交換費用を1/3(上限100万円)負担してくれる補助金を出しています。
https://www.sanpainet.or.jp/pcb_trans_r6/docs/leaf.pdf
電気設備を正しく使い、漏電や過負荷によるリスクを軽減して、これからの時期を安心して過ごせるようにしましょう!